ユーザビリティとは?〜初心者のための基本解説〜
ユーザビリティとは単なる「使いやすさ」を指す言葉ではありません。
こちらではユーザビリティの5つの構成要素と重要視される理由、評価方法についてまとめています。ユーザビリティについて詳しく知りたい方は、是非参考にしてみてください。
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1.ユーザビリティ(Usability)とは
ユーザビリティ(Usability)とは、「use(使う)」と「ability(〜できる)」という2つの英単語を組み合わせて造られた造語で、一般的には「使いやすさ」と訳されます。
しかし、実際は単なる「使いやすさ」だけを示す言葉ではなく、ある特定のユーザーにおける満足度の度合いを示す言葉です。
UXと呼ばれるユーザーエクスペリエンスと同じような意味として捉えられることもありますが、UXは人間が体験する経験に焦点を当てた使いやすさであり、ユーザビリティはウェブサイトなどのモノが持っている特性に焦点を当てた使いやすさを指します。
ユーザビリティは「学習のしやすさ(Learnability)」「効率性(Efficiency)」「記憶しやすさ(Memorability)」「エラー(Errors)」「主観的満足度(Satisfaction)」の5つの要素で個性されており、これらが良ければ良いほどユーザビリティが高いということができます。
2.ユーザビリティを構成する5つの要素
ユーザビリティの特性は「ユーザビリティの5原則」として、以下の5つにまとめられています。
- 学習しやすさ(Learnability)
- 効率性(Efficiency)
- 記憶しやすさ(Memorability)
- エラー(Errors)
- 主観的満足度(Satisfaction)
こちらでは、ユーザビリティの特性をそれぞれご説明します。
【その1】学習しやすさ(Learnability)
学習のしやすさ(Learnability)とは、初めて使用したユーザーでもすぐに使い方が分かって、簡単に使用できるかどうかを指します。
ユーザーがウェブサイト上で達成したい目的を達成できるかどうかが非常に重要です。
ユーザーが簡単に目的を達成できるウェブサイトは、ユーザビリティが高いということができます。
ただし、ウェブサイトの目的次第では、分かりやすさよりも効率性を重視し、ウェブサイトにおける学習しやすさを犠牲にすることもあります。
【その2】効率性(Efficiency)
効率性(Efficiency)とは、ユーザーがウェブサイトにおける使い方を学習した後、どれだけ素早く効率的に操作できるかどうかを指します。
ユーザーが使い方を学んだ後には、高い生産性を創出することが非常に重要です。
ウェブサイトに訪れるユーザーが一回きりの人ではなく何度も同じユーザーが訪れるようなウェブサイトでは、ユーザビリティを高めるための特に重要な要素となっています。
【その3】記憶しやすさ(Memorability)
記憶しやすさ(Memorability)とは、ユーザーが一度覚えた使い方を忘れずに覚えていられるかどうかのことを指します。
一度使ってからしばらく使わなかったとしても、次使う時にすぐに使えることが重要です。
学習のしやすさが高いと記憶のしやすさが高くなるという関係性があります。
ECサイトなど定期的にユーザーが訪れるようなサイトでは、特に記憶のしやすさが重要とされています。
【その4】エラー(Errors)
エラー(Errors)とは、ユーザーがウェブサイトを利用している時にユーザーの操作ミスによってエラーが起こりにくいかどうか、エラーが発生した場合は簡単な回復ができるかどうかを指します。
回復に時間がかかったり回復が困難な致命的なエラーを起きたりしないということも重要なポイントです。
そのために、ユーザーが間違わないようウェブサイト内の要素の配置や文言を修正し、エラー時の文言を修正する必要があります。
【その5】主観的満足度(Satisfaction)
主観的満足度(Satisfaction)とは、ウェブサイトを使用しているユーザーがウェブサイトの使いやすさやウェブサイトを通して得られる経験などに満足し、楽しく快適に利用できるかどうかを指します。
同一ユーザーが長時間使い続けるようなエンターテイメント系のサイトやオンラインゲームなどでは特に重要です。
使っていて楽しいと感じられるウェブサイトにすることによって、定着率を高めることに繫がります。
3.ユーザビリティが重要視される3つの理由
ユーザビリティが重要視されるようになった背景には、能動的なメディアに変化したことや他者との差別化を行ってコンバーション数を向上させる必要があることなどが挙げられます。
【理由1】能動的なメディアに変化したため
ユーザーが自らサイトを探して楽しめる能動的なメディアになったことが大きな背景として挙げられます。
これまでのような新聞や雑誌、テレビなど受動的なメディアの場合、ユーザーはただただ受け取るだけだったためユーザーにとっての使いやすさなどを考える必要はありませんでしたが、能動的なメディアになったことで使いやすさを考える必要が出てきました。
使いやすくなければユーザーはすぐに離脱して違うサイトに移動してしまうためです。
【理由2】選ばれるサイトにするため
ユーザーが使いにくかったらすぐに離脱して違うサイトに移動できるということは、ユーザーにとって選ばれるサイトにする必要があります。
選ばれるサイトにするためには、ユーザビリティが高いかどうかが非常に重要です。
ユーザーにとって負荷なく利用できるウェブサイトであればユーザーは不満を感じることなく継続してサイトを訪れてくれるようになります。
もし、ユーザビリティが低ければ、サイトに足を運ぶ人は殆どいなくなるでしょう。
【理由3】コンバーション数を向上させるため
ユーザーが使いやすさを感じて定期的に訪れてくれるようになったり、ウェブサイト内を回遊して長時間滞在してくれるようになったりするとコンバーション数も向上します。
コンバーションとはウェブサイト上の目的を果たすことを指し、コンバーションの数が高くなればなるほどウェブサイトの目的を果たせるということです。
また、サイトに訪れるユーザー数に対するコンバーション率の向上にも繫がりやすくなります。
4.ユーザビリティを評価する4つの方法
ユーザビリティを評価する方法には、ユーザビリティテスト・ヒューリスティック評価・アイトラッキング調査・ウェブユーザビリティ評価ツールなどが挙げられます。
【方法1】ユーザビリティテスト
ユーザビリティテストとは、実際に製品やサービスを利用してもらい、実際にユーザーが使用している様子を観察することで問題の原因を見つけるためのテストです。
ユーザーの行動や使用中の発言からウェブサイトのデザインがユーザーにとって使いやすいものなのかどうかを調べることができます。
目の前で使用している姿を観察することができるので気になったことをその場で質問したりすることで質の高いデータを手に入れることが可能です。
【方法2】ヒューリスティック評価
ヒューリスティック評価とは、経験則に基づいてユーザビリティを専門とする者がユーザビリティを評価する方法です。
ユーザビリティの専門家が評価を行うため一般的なユーザーには分からない部分の問題点や仕様書・プロトタイプの問題点を見つけることもできます。
評価範囲が広いのでユーザビリティテストでは見つけられない問題を見つけられる点でメリットがあります。
評価期間も短期間で終えられるのでコストもかかりません。
【方法3】アイトラッキング調査
アイトラッキング調査とは、ユーザーの視線を追ってどこをどれくらい見ているのかを分析する調査のことです。
ウェブサイトのどの箇所をどれだけ見ているのか、見ていない箇所はどうゆうところなのかを知ることができるので、ウェブサイト全体の構成の変更に役立てることができます。
ただし、視線が向けられている箇所が必ずしもユーザーにとって有意義な情報だったかどうかは分からないため、ユーザーの視線とユーザーにとって有意義な情報かどうかは別であることを忘れてはいけません。
【方法4】ウェブユーザビリティ評価スケール
ウェブユーザビリティ評価スケールとは、アンケート形式でユーザビリティを評価する定量的な評価方法です。
以下の7つの評価因子が定められており、それらによってユーザビリティを評価します。
- 内容の信頼性
- 役立ち度
- 構成の分かりやすさ
- 操作の分かりやすさ
- 見やすさ
- 反応の良さ
- 好感度
定量的な評価で曖昧な表現にならないことから説得量のある分析手法です。
テストを行うのも比較的容易なため、取り組みやすいという点でメリットがあります。
5.ユーザビリティのまとめ
ユーザビリティは多くのユーザーにとっての使いやすさを示す言葉だと思われがちですが、本来はある特定のユーザーにおける使いやすさを示す限定的な意味合いを持っている言葉です。
ユーザビリティは以下の5つの要素で構成されており、これらが良ければ良いほどユーザビリティが高いと言えます。
- 学習のしやすさ(Learnability)
- 効率性(Efficiency)
- 記憶しやすさ(Memorability)
- エラー(Errors)
- 主観的満足度(Satisfaction)
ユーザビリティはウェブサイトが多くある中で差別化を行い、コンバーション数を高めるためには非常に重要な要素です。
ホームページを作っている方は是非ユーザビリティテストを行ってみてくださいね。