今や、誰でも簡単にネットショップを持てる時代です。ネットショップを構築するためのツールとして無料で使え、カスタマイズ性が高いEC-CUBEは2006年から現在に至るまで、非常に人気の高いCMSとなっています。
今回は、これからネットショップを構築したいと考えるお客様向けに、EC-CUBEの概要からEC-CUBEでできることやメリット、構築する際に必要なものや大まかな構築の流れを解説します。あわせて、EC-CUBEの活用事例や利用の際の注意点まで解説していますので、ぜひご覧ください。
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記事監修者の紹介
真中 淳一
墓石、屋根、外構、防水工事の一括見積メディア運営を6年間経験致しましたので、お客様対応からポータルサイト一からの立ち上げの経験は豊富にあります。また、その他にもオリジナルCMS開発、予約システム、プラットフォームのディレクターも5年経験を積んでいるので、幅広いシステム開発の要件の知識やノウハウもあります。これからホームページを作成されるお客様のお力になれれば幸いです。
1. EC-CUBEとは?→ネットショップが作れるオープンソースのCMS
EC-CUBEは、株式会社イーシーキューブが提供する純国産のネットショップが作れるオープンソースのCMSです。株式会社ロックオン(現イルグルム)によって開発され、現在はEC-CUBE事業は株式会社イーシーキューブに承継されています。
1-1. 日本国内で最も利用されている
EC-CUBEはECオープンソースとしては、国内で最も利用されているものです。純国産のソフトウェアであるため、日本人にとって非常に使いやすいソフトウェアであることが理由としてあげられるでしょう。
2020年5月時点では、全国で35,000店舗以上のネットショップがEC-CUBEで作成され、公開されています。2006年に公開されてから現在に至るまで改良が続けられており、コミュニティも活発に活動していることも、人気の理由として挙げられます。
1-2. 無料で使えるオープンソースのCMS
EC-CUBEは基本的に無料で利用可能です。オープンソースであるため、ソースコードが公開されており、プログラミングができれば独自機能の追加なども行えます。
プログラミングなどの高度な専門知識がなくとも、CMS(Contents Management System)であるため、ネットショップを運営するための基本機能は用意されており、簡単にネットショップを公開することが可能です。
さらに、現在ではオープンソースのダウンロード版だけでなく、クラウド上で使えるクラウド版も存在します。クラウド版はダウンロード版と違い無料ではありませんが、サーバーなどの用意が不要となるメリットも。
これからネットショップを構築するお客様は、ダウンロード版だけでなくクラウド版の利用も検討されてはいかがでしょうか。
1-3. EC-CUBEはネットショップを作る方法の一つ
EC-CUBEは、あくまでもネットショップを作る方法の一つに過ぎません。ネットショップを作る方法(方式)は、大きく分けると次の5つが存在します。
方式 | ECサイト規模 | 構築難易度 | メリット | デメリット |
ASP | 小規模 | 低 | 簡単にECサイトが作成できる | カスタマイズ性が低い |
オープンソース | 小~中規模 | 高 | コストを抑えてカスタマイズしたECサイトが作れる | 技術力がないとECサイト作成が難しい、システムが古くなる |
パッケージ | 中規模 | 中 | サポートありのカスタマイズしたECサイトが作れる | システムが古くなる |
クラウドEC | 中規模 | 中 | 自社サーバーが不要で、最新のシステムでECサイトが作れる | システム内部がブラックボックス化されている |
フルスクラッチ | 大規模 | 高 | どんな要件でも実現可能 | 多大なコストと期間が必要、システムが古くなる |
EC-CUBEのダウンロード版は「オープンソース」に該当し、クラウド版は「クラウドEC」に該当するものです。EC-CUBEを利用する際は、ある程度の専門知識が求められることは覚えておいてください。しかし、EC-CUBEはコストを抑えながら独自性の高いネットショップを作ることが可能です。
以降は、ダウンロード版となる「オープンソース」のEC-CUBEに関して、解説を進めていきます。
2. EC-CUBEでできること・搭載機能
ここからは具体的にEC-CUBEでできることや機能について見ていきましょう。EC-CUBEの機能を「フロント機能」「バックエンド機能」「その他管理機能」として分け、代表的な機能を紹介します。EC-CUBEには2系・3系・4系のバージョンが存在しますが、ここで紹介する機能は、最新バージョンである4系で対応しているものです。
2-1. フロント機能
ネットショップに訪れた顧客が目にするフロントエンド部分の機能としては、次のような機能が搭載されています。
機能名 | 説明 |
商品サムネイル表示 | 一覧ページで商品サムネイルを表示 |
一覧並び替え機能 | 商品を価格順、新着順で並び替える |
商品タグ | おすすめ、残りわずかなどのステータスを表示する |
ユーザーレビュー | ユーザーレビューの登録・表示を行う |
商品お気に入り登録 | ログインしている状態でお気に入り登録できるようにする |
ここで紹介している機能は一部です。そのほかにも多くの機能を搭載していますので、詳しくはEC-CUBE公式ホームページの「機能一覧(4系)」をご確認ください。
2-2. バックエンド機能
ネットショップを運営する上で、ショッピングカート機能や注文後のメール送信機能など、バックエンド部分の機能は欠かせません。EC-CUBEでは、非常に豊富なバックエンド機能を搭載しています。
機能名 | 説明 |
ショッピングカート機能 | 複数商品選択など、基本的なショッピングカート機能 |
非会員購入機能 | 会員登録せずに購入ができる機能 |
お支払い方法選択 | 登録した支払い方法のなかから、顧客に選択してもらう機能 |
ポイント購入機能 | 商品購入で付与するポイントで商品を購入できる機能 |
注文処理 | 注文時にThanksメールとあわせて、管理者に通知する |
会員登録・ログイン機能 | 会員登録・ユーザーログイン画面機能 |
注文履歴一覧表示 | 会員の過去の注文履歴を一覧表示する機能 |
別のお届け先編集機能 | 複数の配送先の登録・編集・削除を提供する機能 |
おすすめ商品表示 | おすすめ商品を表示する機能 |
お問合せフォーム | お問合せフォームを表示する機能 |
ここで紹介している機能は一部です。そのほかにも多くの機能を搭載していますので、詳しくはEC-CUBE公式ホームページの「機能一覧(4系)」をご確認ください。
2-3. その他管理機能
EC-CUBEには、ネットショップを運営・管理するための機能も充実しています。ここで紹介する機能を使い、マーケティングや商品登録の手間を減らすなどの対応が行えるようになります。
機能名 | 説明 |
管理者登録 | 複数の管理者を登録可能 |
売上状況グラフ | 売上状況を週間・月間・年間のグラフで表示 |
ショップ状況 | 在庫状況や会員数をTOPページに表示 |
商品情報CSV出力 | 商品データをCSVで出力する機能 |
商品情報CSV登録 | 商品データをCSVで一括登録する機能 |
商品一括変更機能 | 商品一覧画面で公開・非公開・廃止・完全に削除の4つの変更を一括で行う機能 |
受注情報検索/一覧 | 受注情報の検索、一覧表示をする機能 |
各種メール送信 | 「商品発送済みメール」など、注文客に任意のタイミングで受注詳細画面からメールを送る機能 |
顧客情報CSV出力 | 顧客情報をCSVで出力する機能 |
SEO管理 | ページごとにメタタグにキーワードを埋め込める機能 |
支払い方法/手数料設定 | 支払い方法や方法ごとの手数料の設定ができる機能 |
配送業者/配送料/配送時間設定 | 配送業者や配送料、配送時間の設定ができる機能 |
商品別税率設定 | 商品別に税率を設定可能(軽減税率対応) |
プラグイン検索・インストール | オーナーズストアで販売しているプラグインを検索・インストールする機能 |
その他管理機能は非常に豊富です。上記の表で紹介した機能は本当に一部ですので、詳しくはECEC-CUBE公式ホームページの「機能一覧(4系)」
また、EC-CUBEではデモサイトを公開しています。フロント画面だけでなく、管理画面も確認できるため、導入前に一度デモサイトで操作を確認してみてはいかがでしょうか。
EC-CUBEのデモサイトはこちら
3. EC-CUBEを利用するメリット・魅力
実際にEC-CUBEを利用するメリットや魅力には、具体的にどのようなものがあるのでしょうか。ここでは、メリットや魅力について一つずつ紹介していきます。
3-1. ネットショップに必要な機能が全て揃う
「EC-CUBEでできること」で紹介したとおり、EC-CUBEには非常に豊富な機能がデフォルトで搭載されています。デフォルトの機能だけでも、ネットショップを運営するために必要な機能がすべて揃う点はメリットといえるでしょう。
さらに、EC-CUBEでは「オーナーズストア」から、プラグインやデザインテンプレートを入手することが可能です。デフォルトの機能では足りない機能も、プラグインを使えば簡単に追加することができます。オーナーズストアでは、決済/物流/在庫連動/集客サービスなど、ネットショップで必要となる機能を多数公開しています。
プラグインやデザインテンプレートは、有料のものが多くなりますが、なかには無料で提供されているものもあるため、EC-CUBEを利用する際は確認してみてはいかがでしょうか。
3-2. 無料で使える
EC-CUBEはオープンソースのCMSであるため、無料で利用可能です。EC-CUBEを選択する最大の理由ともなり得るメリットといえるでしょう。無料で提供されているものでありながら、有料パッケージ製品と遜色ない機能が搭載されているところが魅力です。
もし、EC-CUBEでデフォルト搭載されている機能を0から開発する場合、多大なコストと時間が必要となります。しかし、EC-CUBEを導入すれば、無料で使えるだけでなく自由に改変することも可能なのです。
3-3. 自由にデザインを変更できる
手軽にネットショップを作成する方法として、近年注目を集めている方法に「ASP(アプリケーション・サービス・プロバイダ)」が存在します。ASPは専門的な知識をほとんど必要とせず、最短1時間ぐらいでネットショップを作ることが可能です。
しかし、ASPはデザインテンプレートが限られており、カスタマイズするために有料版に移行する必要があったり、カスタマイズできても大きな改変はできなかったりするもの。その点、EC-CUBEはデザインに関する制限がないため、自由にデザインを変更することが可能なのです。
少し時間をかけてでも独自性の高いネットショップを作りたいお客様は、EC-CUBEがおすすめです。
3-4. 機能のカスタマイズができる
EC-CUBEには多くの機能が搭載されていますが、ネットショップを運営するなかで追加の機能が欲しくなる場面もあるでしょう。EC-CUBEでは、オーナーズストアからさまざまなプラグインを導入でき、専門的な知識がなくても機能が追加できます。
フルスクラッチなどのシステム開発で機能を追加する場合は、0から開発しなければならないため、時間もコストもかかることに。EC-CUBEでは、欲しいと思った機能は基本的にオーナーズストアから入手可能です。
さらに、プログラミングの知識などがあれば、追加機能を自作することもできます。
3-5. 情報が多く、問題解決が容易
EC-CUBEは2006年に公開されてから、10年以上も利用され続けているソフトウェアです。純国産であり、コミュニティも活発であるため、インターネット上にEC-CUBEに関する情報は非常に多く公開されています。
ITに関連する情報は、専門的になるほど英語などの情報が多くなります。しかし、EC-CUBEはそのほとんどが日本語で公開されているため、情報を集めやすいといえるでしょう。
EC-CUBEのコミュニティでは、初歩的な質問からプラグインに関する専門的な質問まで、幅広い層に対応しています。そのため、問題解決も行いやすいというわけですね。
コミュニティ内の実際のやり取りを見てみたいお客様は、EC-CUBE開発コミュニティを覗いてみてはいかがでしょうか。
4. EC-CUBEを利用する際に必要なもの
EC-CUBEを利用する際に、実際に必要なものを紹介します。ダウンロード版となるオープンソースのEC-CUBEを利用する際に必要となるものであり、あわせて、構築する際の大まかな流れまで解説していきます。対象となるEC-CUBEのバージョンは「4系」です。 この章の内容は専門的な内容となりますが、EC-CUBEを利用する上で必要最低限の知識といえます。そのため、この章の内容が理解できない場合は、EC-CUBEの構築を自力で行うことは難しいでしょう。その場合は、外注することも一つの手です。
4-1. サーバー(レンタルサーバー)
EC-CUBEを利用する上でサーバーは欠かせません。サーバーで利用するOSは、WindowsよりもLinuxやUnixのほうが一般的です。サーバーを自前で用意できない場合は、レンタルサーバーを利用しましょう。
レンタルサーバーは月額数千円程度からレンタルすることが可能です。また、レンタルサーバーのなかには、EC-CUBEの簡単インストールに対応しているサービスも存在するため、EC-CUBE公式ホームページの「EC-CUBEが使えるレンタルサーバー」を参考に選択してもよいでしょう。
レンタルサーバーの場合は、次に紹介するウェブサーバーソフトウェアやPHPなどが最初から用意されているものがほとんどです。もし、自前でサーバーを用意する場合は、次に紹介するソフトウェア類も用意しなければなりません。
4-2. ウェブサーバーソフトウェア
ネットショップはWebページであるため、ウェブサーバーソフトウェアが欠かせません。EC-CUBEで必要となるウェブサーバーソフトウェアは「Apache」です。3系ではMicrosoft社の「IIS」も対応していましたが、4系ではApacheのみとなっています。
ソフトウェア | バージョン | 動作確認済みバージョン |
Apache | 2.4.x (mod_rewirte/mod_ssl必須) | 2.4.6 |
参照元:EC-CUBE4.0開発者向けドキュメントサイト「システム要件」
Apacheだけでなく、「mod_rewrite」「mod_ssl」というモジュールも必須となるため、忘れずに用意しましょう。
4-3. PHP
EC-CUBEはPHPで作成されているため、動作させるためにはPHPが欠かせません。PHPのバージョンは「7.1以上」を導入しましょう。
注意点として、EC-CUBE4.0.0/4.0.1はPHP7.3では動作しません。PHP7.3を利用する場合は、EC-CUBE4.0.2以降のバージョンを導入する必要があります。
ソフトウェア | バージョン | 動作確認済みバージョン |
PHP | 7.1~ ※必須ライブラリあり | 7.2.19 |
参照元:EC-CUBE4.0開発者向けドキュメントサイト「システム要件」
また、以下のPHPライブラリが必須となっているため、あわせて用意しなければなりません。
・pgsql/mysqli(利用するデータベースに合わせて選択)
・pdo_pgsql/pdo_mysql/pdo_sqlite (利用するデータベースに合わせて選択)
・pdo
・phar
・mbstring
・zlib
・ctype
・session
・JSON
・xml
・libxml
・OpenSSL
・zip
・cURL
・fileinfo
・intl
そのほかにも推奨されるライブラリが存在しますが、詳細はEC-CUBE4.0開発者向けドキュメントサイト「システム要件」をご参照ください。
4-4. データベース
EC-CUBEで利用する商品データや顧客データは、データベースに保存されます。EC-CUBEで利用できるデータベースは「PostgreSQL」「MySQL」「SQLite」の3種類です。 しかし、SQLiteは開発用途向けであるため、一般的なネットショップ向けにはPostgreSQLかMySQLを選択しましょう。
ソフトウェア | バージョン | 動作確認済みバージョン |
PostgreSQL | 9.2.x / 10.x (pg_settingsテーブルへの参照権限必須) | 9.6.6 |
MySQL | 5.5.x /5.6.x / 5.7.x (InnoDBエンジン必須) | 5.6.33 |
SQLite(開発用途向け) | 3.x | ― |
参照元:EC-CUBE4.0開発者向けドキュメントサイト「システム要件」
4-5. 自力で構築する際の大まかな流れ
EC-CUBEを構築する際には、次のものを用意しなければなりません。
・サーバー(レンタルサーバー)
・ウェブサーバーソフトウェア
・PHP
・データベース
サーバー上にウェブサーバーソフトウェア、PHP、データベースを用意し、EC-CUBEをインストールしてそれぞれを連携させて構築するイメージです。その後のネットショップ公開までの大まかな流れとあわせて、全体的な構築の流れを紹介します。
1.サーバーを用意する
2.ウェブサーバーソフトウェア、PHP、データベースを用意する
3.EC-CUBEをインストールする
4.決済方法を導入する
5.デザインやレイアウトをカスタマイズする
6.商品登録を行う
7.公開する
EC-CUBE自体の構築完了はあくまでもスタート地点に過ぎません。ネットショップとして公開するためには、決済方法の導入やデザインカスタマイズ、商品登録が必須です。
1~3の手順に関しては、EC-CUBEに対応したレンタルサーバーをレンタルすることで簡単に済ませることもできます。自力で1から構築することが難しい場合は、EC-CUBEに対応したレンタルサーバーをレンタルすることを考えましょう。
5. EC-CUBEの活用事例
実際にEC-CUBEで作成されたネットショップの事例を知りたいお客様も多いのではないでしょうか。ここでは、EC-CUBEで作成されたネットショップを活用事例として紹介します。 ここで紹介するネットショップは一部であり、そのほかの事例も確認したいお客様は、「ECサイト構築・デザイン制作事例一覧」をご参照ください。
5-1. 人形町今半おもてなしお弁当サイト
「伝統の継承」をサイトコンセプトに、人形町今半という企業ブランドのカラーイメージを損なわないデザインとして制作された事例です。
2018年10月に公開され、開発期間は約5ヶ月とのこと。EC-CUBEは3系が利用されていますが、会員の法人・個人区分や商品アレルギー表示などのカスタマイズが施されています。
5-2. ラグリエ
ラグリエはデザインラグ・デザインフロアマットの通販サイトです。2020年3月に公開され、開発期間は約4ヶ月となっています。EC-CUBEは4系が利用されており、商品コードからサイズバリエーション違いの商品表示をするカスタマイズや、コンテンツマーケティングのためにWordPressと連携したカスタマイズが施されています。
5-3. 日本看護協会出版会
日本語看護協会出版会は、医療関係者が専門書籍を購入するためのネットショップです。こちらは、前述の2ホームページと違い、新規構築ではなくEC-CUBE2.3系から4系へのアップデートリニューアルの事例となっています。
開発期間は約6ヶ月であり、EC-CUBEのCSV入出力機能を使って、在庫情報を基幹システムと連携できるようにカスタマイズされています。リニューアルの際にはデータの引き継ぎが大きな課題となる場合が多いものですが、EC-CUBEの機能によりしっかりとデータ移行が行えた事例といえるでしょう。
6. EC-CUBEを利用する際の注意点
最後にEC-CUBEを利用する際に注意しなければならない点を紹介します。EC-CUBEを使うことで、手軽にネットショップを構築できますが、これから紹介する注意点を考慮しておかないと、取り返しのつかない事態に陥る危険性があります。
6-1. セキュリティ・脆弱性対策はしっかりと
ネットショップでは、顧客の個人情報を管理する必要があります。これは、EC-CUBEはもちろんのこと、そのほかの方法で作成したネットショップであっても同じです。
EC-CUBEの場合はオープンソースであり、非常に有名なソフトウェアであるために、特にセキュリティ・脆弱性対策はしっかりと行わなければなりません。オープンソースはソースコードが公開されており、誰でもプログラム上の欠陥を見つけることができます。また、有名であるため狙われやすいというわけです。実際に、EC-CUBEの一部バージョンでは、クレジットカード番号などの漏えいの原因となる脆弱性が見つかっています。
さらに、EC-CUBEだけでなく、ApacheやPHP、MySQLなどのソフトウェアもオープンソースであったり、脆弱性が見つかりやすいものであったりするため、常に最新のセキュリティ情報を掴んでおく必要があります。
一度構築したら終わり、ではなく、常に情報収集を行いましょう。脆弱性などに該当するバージョンを利用している際は、バージョンアップをするなど、セキュリティ・脆弱性対策はしっかりと行わなければなりません。
参照元:「株式会社ECキューブが提供するサイト構築パッケージ「EC-CUBE」の脆弱性等について(注意喚起)」(経済産業省)
6-2. 完全無料で使えるわけではない
EC-CUBE自体は無料で利用できますが、サーバーレンタル代やドメイン代など、完全無料でネットショップを公開することはできません。オープンソース=無料、と考える方も多くいますが、完全無料で使えるわけではないのです。
ネットショップを運営・運用する上で、必要となる費用としては次のようなものが挙げられます。
・サーバーレンタル代(月数千円~)
・ドメイン代(年数千円~)
・決済手数料(3.5~5%程度)
など
決済手数料は、ネットショップでクレジットカード決済を選択した場合に必要となります。そのほかにも、デザインを外注した場合に発生するデザイン費や、日々の運用で必要となる運用費など、完全無料で使えるわけではないことは覚えておいてください。
6-3. 再販売する場合は商用ライセンスが必要
EC-CUBEはオープンソースであるため、ソースコードを改変して再販売することができます。独自のカスタマイズを施し、パッケージ商品として販売することが可能なのです。
しかし、再販売する際には商用ライセンスが必要となります。商用ライセンスは1サイト約26万円であり、EC-CUBEを利用したアプリケーションの開発・販売を検討されているお客様は、商用ライセンスの購入も検討しましょう。
7. まとめ
EC-CUBEはネットショップが作れるオープンソースのCMSであり、オープンソースECとしては国内で最も利用されています。フロント機能やバックエンド機能だけでなく、売上状況をグラフ化する管理機能など、非常に豊富な機能がデフォルトで搭載されています。
EC-CUBEは無料で使えますが、有料のパッケージ製品と遜色ない機能を持ち合わせており、デザインや機能のカスタマイズが自在にできる点がメリット・魅力といえるでしょう。
EC-CUBEを利用する際には、セキュリティ・脆弱性対策はしっかりと行う必要があります。また、完全無料で使えるわけではなく、再販売する場合は商用ライセンスが必要、などの注意点があることは覚えておいてください。
手軽にネットショップが作れるEC-CUBEですが、「EC-CUBEを利用する際に必要なもの」で解説したとおり、ある程度の専門的な知識が必要となります。もし、お客様が「専門的な知識が不足している」と感じられているのであれば、外注することも一つの手です。
EC-CUBEは非常に有名なソフトウェアであるため、EC-CUBEに強い制作会社も多く存在しています。
制作会社を探される場合は、弊社へお問い合わせいただくことで、一括で優良制作会社を紹介する事が可能です。お客様に最適な制作会社をご提案いたします。
制作会社選びでお悩みのお客様は、どうぞお気軽に弊社へご相談ください。